森岡利行監督日誌

竹書房より小説「子猫の涙」が刊行された

その中に若かかりし頃の栄治の日記がある。

(以下抜粋)

 四月十五日(火)
さあいよいよ試合まであと三日。教は二時から中外ジムで公開練習。兄(義孝)の車でマネージャー(沖氏)と出かけた。ちょうど四十分かかった。2Rのスパーリングを終え、体重を計った。五五キロ、ホッとした。すぐ兄の家(八尾)まで帰りミカン、レモン、イチゴを食べる。とてもおいしい。学生時代はそんなに感じなかったのに……。七時ごろ床に入ったがなかなかねむれない。

  四月十六日(水)
八時に起き秋田犬をつれて近所を十分くらい散歩。この犬は大きいので僕はひきずりまわされたようだ。十時ごろくだものを食べ、午後一時ごろ庭でシャドウボクシング、体操を軽くやった。“とにかくどんなことがあっても勝つ”そう心に誓う。そしてラジオを聴く。テレビを見ようとしたが目によくないと兄たちにいわれてやめた。二階の戸を閉め切って暗くし、そこで一人で音楽を聴くのもよいものだ。“ブルーライト横浜”がかがっていたので自分で調子をつけ歌う。でも自分の歌はうまくなかったようだ。まわりの人が神経をつかってくれるので、逆に僕のほうが神経をつかう。でもうれしいものだ。八時に眠る。

  四月十七日(木)
 黄色の長ソデシャツ、それにカーデガンを着て兄の車で計量場へ。熊沢君と目が合ったが一言もしゃべらなかった。軽くパス。“よしやるぞ”すぐ車で僕の後援者の東さんの所へ寄りパンと牛乳を一本飲む。そうだリンゴも食べた。そして兄の自宅で十二時に野菜サラダ、ビフテキを時間をかけて食べる。自分でも思うんだが、暇な時は横になっているか食べてる時がどっちかだ。五時、兄の子供とし坊と二人で試合場に行く。車で行こうと思ったがもしぶつかったらと思ってやめた。体育館の前で四十ぐらいのダフ屋に「今夜の切符あるか」と聞かれ、ないというと「じゃ切符買わないか」といわれ頭にきた。まだ顔をおぼえられてないらしい。オリンピックの試合のほうが楽なような気がした。1Rが終わってセコンドにすわるなり「だいじょうぶだ」と自分から声を出してしゃべった。KO勝ちしたのの、一発で倒したかった。でも勝ってホッとしたことはたしか。八尾の家に帰りビデオテープを見る。

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現役の頃の森岡栄治、秋田犬のトキ、私の妹・佳子、私(とし坊)、九歳。後ろに置いてあるクルマは当時のコロナだが、映画の中でも加代子の店の前に同じ形のコロナが奇遇にも(制作が用意してくれた)停められていた。
by straydog2007 | 2008-01-18 00:00
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